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学校生活

校長室だより

2012年6月の校長室だより

聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 前号に引き続き「てのひら文庫」を続けます。この読書感想文全国コンクールの開催者「総合初等教育研究所」からは毎年「応募の状況と作品の傾向」が発行されます。その1枚にまとめられた報告には、審査基準がきちんと文章化されて公表されているのが目を引きます。以下の5項目がそれですが、これはいわゆる評価規準にあたります。基準と規準とでは明確に区別されるのですが、世間的には同じ意味として使われていますので今は気にしないで使用します。

1 作品が十分読みこなされていて、感想に対して根拠があること

2 文章が平明であり、自分の言葉になっていること

3 書かれた主旨が明確であり、しかもそれは学年相応のものであること

4 文章は筋が通っていて、聞く人や読む人に対して説得力があること

5 感想の観点が、その人の個性的なものであり、かつ、それはまた素直なものであること。(書いてありませんが誤字・脱字・表記まちがいのないこと、字がていねいなことは当然になります。詳細は後日係りに配布してもらいましょう)

 現在、学校教育では、評価論が盛んです。PDCAサイクルの内、Cのチェックつまり評価を基点にして学習を見直したり組み立てていこうという考えです。この5項目も、これまでの優れた感想文から抽出され一般化されてきた作品を選ぶ目安ですが、これは見方を変えると、読書感想文をかく時の“教え”として学習者に指導していくときのポイントになります。このような見方が評価から考えるということです。読書感想文は文章としては書くのがむずかしいものです。「感想文なんて書かすから読書嫌いになる」という主張もあるのはご存じのことと思います。しかし、「発達の最近接領域」という教育心理学の知見もあるように、成長は背伸びしてチャレンジするところにもたらされるということも真実です。本校では、読書感想文の持つ教育的価値を十分活用する立場にたち、教育課程に位置付けてまいりました。

 とはいえ、読書の感想を原稿用紙に何枚も書くのがたいへんなことは変わりありません。そのとき、指導者である私達(ご家庭で子どもから相談される方も多いでしょうから保護者も“私達”に加えましょう)が、ゴールで何を求められているかをわきまえていることは教育者の責務として重要ですし、指導に自信も湧いてきます。評価規準が明らかにされるということは、このようにPDCAサイクルのP:プラン(計画)、D:ドゥ(実行)段階にも役立つのです。本校でも指導に生かしています。

 ただ、評価からさかのぼって指導することでは注意しなければならないことがあります。創作に関わるような学習活動ではなおのことですが、その評価の規準を実質的な目標と勘違いしてしまいますと、発想を一方向に限定して窮屈な活動にさせてしまいます。規準は絵画でいう額縁です。その額の中で何をどのように描くかは自由です。感想文の規準も方向を示すものです。その中で個人の特性を発揮することが肝心です。

 生涯学習の観点から考えてみますと、学習者自身でPDCAサイクルを回せる能力と習慣を身に付けることが求められますから、児童も高学年になるにしたがってこの評価規準を自分から意識して取り組むことが大切になってくるでしょう。しかしともあれ、児童には読書にのめりこんでもらって、その感じたこと、考えたことをいきいきのびのび鉛筆を走らせてもらいたいと思います。相談されたらこの規準に沿ってかっこよくアドバイスできるぐらいがよいのかもしれません。



聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 17日は日曜日にも関わらず、児童にも登校してもらい学校説明会を開催させていただきました。ありがとうございました。おかげさまで昨年同時期の2倍を上回る200名の方々がおいでくださいました。学校説明、授業見学のほかに会食体験もしていただきました。年長の子の食事のお世話を5年生がつとめてくれました。アンケートには、この5年生の甲斐甲斐しさについて、多くのお褒めの言葉がありました(もしかしたら今回の年長の子の班長になる5年生がいるかもしれませんね)。ごきょうだいが在学している保護者の方も、幾組も参加してくださっていました。うれしくありがたいことです。私もはじめてパワーポイントで自作した画像も使って精一杯本校のよさをアピールしました。学園長先生も駆けつけてくださり応援のご挨拶をしてくださいました。ホームページ上にも出しているこの「響き」のことを読んでくださっている方もいて声をかけてくださいました。当日新浦安で開かれていた幼児塾の学校説明会でも本校ブースにたくさんの方が並んでくださったということでした。これらの参加者が出願、入学につながっていくことを願っています。保護者の皆様にもお知り合いの方などいらっしゃいましたら入学をお勧めくださるようお願い申し上げます。

 さて、梅雨が明ければ夏本番。本校の夏は「てのひら文庫」の夏でもあります。各学級でも本の希望をとり終わりました。多数の本を希望注文する家庭も多くなってきました。もう15年以上前になりますでしょうか、一人の保護者の方が教えてくださった「てのひら文庫読書感想文全国コンクール」。読書や作文学習の一環として取り入れたものでした。本校の教育の柱としてこんなに大きく育つとはその当時だれも予想していなかったはずです。それが、10年連続もの最優秀校賞を受賞していくような教育活動に発展していきました。

なぜだったのかとよく考えます。子どもの力をひき出したハード面からみると、希望制ではなく全学年・全児童に夏休みの課題として取り組ませたということが大きな要因であったと思います。そしてそれをともかく継続した。この方針は有効的だったでしょう。不易な価値のあるものを頑固に続けていくのは聖徳学園のポリシーでもありました。しかし、書く力は学習環境設定だけで育つはずはありません。作文力を育てることは人間力を育てることだからです。子どもの作文力は大人の作文力よりも文章技術が未熟な分、書く個人の人間性が表れてきます(あるいは隠れてしまいます)。だから作文指導とは読書感想文でも第一に、その子の感受性や考え方を豊かに涵養していくことが必要です。そのように考えると子どもの作文力をひき出したソフト面には、教科指導のみならず本校とご家庭の情操教育の成果が大きく反映していると思うのです。毎年の児童の感想文には、その児童のやさしさ、素直さ、強さ、ねばり強さ

、真剣さが表れています。そういう感想文が個人賞を受けています。そのことは、本校やその教育に賛同いただいているご家庭に、そのような子どもを育てる校風や家風が流れているのだと思うのです。人間教育が根付いているからこその連続受賞であった、と私達はとらえているのです。

 書かれたことは人間力の結果でもありますが、書く過程は自分の人間力を振り返らせ、一層人間力を育てる過程でもあります。この夏も素敵な読書の思い出を、感じたこと、考えたこととして自分の言葉で綴ることで、新しい他者・新しい自分と出会う体験としてもらいたいと願わずにはいられません。



 

聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 今、この原稿を引率中の「かすがの森」で書いています。「響き」第5号で校外学習6年間の心理学的(?)意味については私の考察を述べてみましたが、ちょうど現在望月にいますので、もう一度校外学習を取り上げてその今昔物語を一つものしてみようかなという気持ちが起こりました。

 公立小学校では考えられない1年生から全学年で毎年宿泊学習を取り入れたいという発想は、本校の創立者故川並弘昭先生から生まれたものでした。しかも私が赴任した平成元年度までは全学年4泊(!)の校外学習が9月はじめに行われていたのでした。その時にはすでに部屋割りは学級ごとになっていましたが、それ以前は、部屋割りも明和班ごとだったそうです。本校一期生の渡辺五大先生は部屋でいっしょに1年生と寝たと思い出を語っていました。(初年度は全校児童が80名もいませんでしたので、保護者もいっしょに参加していたという話も聞きました。何かのどかですね)

  前学園長先生の思いは、普通行われている2泊の宿泊では、がまんしている内に終わってしまって、親元を離れて友達と寝食をともにする意義が表れてこないからということにあったのです。私は公立の教員から赴任した1年目で、1年担任としてその4泊を経験しましたが、私学とはすごいものだなと思ったことを覚えています。しかし、実際にやってみて7歳の子どもにはやはり無理があるという判断を現場の私達がして、現在の3泊4日(2年生以上)に落ち着いています。それでも1年生から2泊する行事を実施している小学校は私学でも多くありません。この望月で生まれて初めてお父さん、お母さんと離れて泊まる子が毎年けっこういるのです。それでも今は、幼稚園でもお泊り会などが盛んですからホームシックで泣く子は少なくなくなりましたね(いろいろエピソードがありますが、個人情報保護ということで守秘義務を順守することにして書くのは控えましょう)。

 食のほうも変遷がありました。はじめはまったく大人と同じメニュー、皿数だったのです。かすが荘の方々もきっとどのように対応してよいのかわからなかったのではないかと思います。鯉のあらいも沢蟹の唐揚げも(こうじ味噌を添えたエシャレット付きで!)全員にきちんと有田焼の器で出ていたのですから。テーブルの上は刺身皿、小鉢、蓋ものなどでびっしりでした。(うれしかったのは私達若い教員です。子どもが手を付けない鯉のあらいを何皿食べたことでしょう)それでは、あまりにも残菜が多いということで、大学栄養管理室の桂先生にも加わっていただいてメニューを工夫していきました。そして幾星霜。昨年からは料理長を新しく迎え一段とおいしく、おかわりもたくさん出してくださるようになっています。信州そばの人気はすごいものです。今年はなんと6年には陶板焼きサーロインステーキ200gが出ました。

 川遊び、飯盒すいさん、キャンプファイヤーは定番中の定番プログラムですが、2年の鱒のつかみどり、3年の乗馬体験、4年のうちわづくり・縄なえ、5年の浅間山鬼押し出し見学、6年の富岡製糸場・旧開智学校・国宝松本城の見学は、長年のさまざまな望月スケジュールの中で生き残ってきたおもしろプログラムといえるでしょう。

 しかし、いま、むかしで変わらないことも2つあるのです。一つは子ども達の望月に寄せる思いです。もう楽しみで楽しみでしかたない思いです。すべての学年でずっと行事ベスト1です。もう一つは望月での先生方の献身的な行動。私は、最前線部隊ではなくなりましたが、見ていて毎年頭が下がるのです。望月は教師を育てます。



聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 本校に24時間勤務してくださっている守衛さん方の仕事用語だそうですが(そのもっと初めは兵隊さん用語なのでしょう)、外で勤務地の安全を見張っている立ち仕事を「立哨」(りっしょう)というそうです。私も4月から朝の“立哨”勤務に守衛さんとついています。といっても朝の7時40分からは打ち合わせがありますので、その前後30分ばかりですが。また、見張りは本職にまかせて、私はもっぱら元気なあいさつ係として立っています。笑顔で元気にあいさつできる子が本年度の年間生活指導目標です。そのお役に立ちたいと志願しました。子どものにこやかなあいさつには元気をもらいます。胸像へのあいさつをほかにだれもいないのに自然に頭をさげ「今日も一日がんばります」とつぶやいている子どもの後ろ姿を見ると、教師としてこの子の一日の願いになんとかこたえてあげなければと思いを強くします。

 毎日、同じ場所で同じ時間に立っているということが大変でつまらなくありませんかと思われるかもしれませんが、そうではないのですね。野外科学には定点観測という研究方法がありますが、定地点・定時刻に立っていることで、さまざまな発見があるのです。そこからいろいろ想像するのがとても楽しい。幸せなひと時なのです。

 毎日同じ時刻に登校してくる児童が多いのですが、そういう児童のご家庭では、早寝・早起き・朝ごはんのリズムができているのだろうなと思います。朝の登校友達もいるようで、いつも同じメンバーでバスから降りてくるのです。時に一人早歩きで門をくぐるのを見ると、あれ、けんかでもしたのかなと心配になったりもします。

 朝、歩道の同じ場所をまるで昨日の自分の軌跡をなぞるようにまっすぐ静かに歩いてくる女の子。自転車で伴走するお母さんといっしょにジョギング登校する男の子。守衛さんや私の前でしっかり止まってあいさつする最高学年の女子。抱えている本が3日に1回は新しくなっている読書好きな子。心を打つ朝の光景の数々です。

 きょうだいで登校してくる姿もほほえましいものです。手をつないで登校する姉妹。妹のお手本になろうとおじぎ、あいさつを進んで見せているお姉さん。もうはずかしいのでしょう、いっしょに歩かないきょうだいもありますね。そうかと思うと昨年のことですが、お兄さんが卒業するまで仲むつまじく並んで登校してくるきょうだいがありました。以前にもいたのですが、私が知っている限りいつも兄・妹の組み合わせなのは何か理由があるのでしょうか。ともかく、私の子は一人ですが、いつまでもきょうだいなかよくできるといいですね。

 保護者の方のご協力もありまして、お子さんを車から降ろして出ていく時間がとてもはやくなったように思います。ランドセルを車の中で背負ってくれているからですね。ありがたいことです。道路全体をよく見渡していただいて、進路の邪魔になる停車、急な停車・発車は事故のもとになりますので十分ご注意をお願いします。

 立哨しながらこんなことを考えます。私たちが見ている子どもの姿がそもそもその子本来の姿なのでしょうか。小学生ともなれば子どもといえども状況を読んでさまざまな顏を現すと考えた方がよいでしょう。しかし、他者意識のまだ生まれない聖なる存在とでも言いたい三つ子の魂の姿を親は幸せな思い出とともに記憶しているわけです。そして、親とはわが子がその無垢な姿を核としていつまでも生きてほしいと願っているものだと思います。私たちもその核を発見したいと子どもを見つめます。



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