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学校生活

校長室だより

2013年7月の校長室だより

聖徳大学附属小学校 

校長  佐藤 幸雄

 

今年度から「聖徳の子農園」が再開できるようになりましたが、4月からわが校の畑には強力な助っ人があらわれています。附属の幼稚園でやはり農園を管理してくださっている古畑(ふるはた)さんです。元農業高校の先生ですからこれはプロフェッショナル。さまざまな準備、維持管理を引き受けてくださっています。ですので今年のサツマイモの生育はとても順調であります。しかし、あくまでも教育活動ですから、主役は児童であるわけです。その子ども達の苗植えのあとの活動は、草取りになるのですが、雨にたたられて今年は2回とも明和班での草取り活動が流れてしまいました。これはたいへんだ、と案じていた3回目、1学期も終わるという18日、雨あがりでくもり空という絶好のコンディションの中、全校で農園に向かうことができ、みんなで雑草ぬきに格闘することができました。すでにサツマイモの蔓も伸びていますし、驚異の野草の生命力です。子ども達も教員も苦心惨憺しました。しかしやはり人海戦術、はじめとは見違えるほどサツマイモの茂っている様子が雑草より目立つようになりました。一応夏休み前に草取りができて少しほっとしました。

 

でもまだまだです。これからも草は伸び続けます。このことは除草剤を使っていない本校としては予想できていましたので、再開した今年度は、一計を案じていました。それが親子での「草取りボランティア」でした。7月5日にお誘いのお知らせをお配りしました。あえて事前申し込み制にはしませんでした。夏休みの一時、朝暑くなる前に一汗流しませんか。詳細は、そのお知らせをお読みいただくとして、皆様のお力添えをお待ちしております。

 

本日、滞りなく1学期終業式を終えることができました。私としましても学校運営の初心者ずらのできない2年目となり、昨年度の学校評価・省察から多くの新しい方策を講じてきました。成果をうんぬんするのはこれからですが、皆様方のあたたかいご理解、ご協力のおかげをもちまして順調に進展しております。あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。   タイトルに「チャレンジ」を掲げました。夏休みは、普段なかなかできないしかし自分の可能性を伸長する自分で決心した「あること」に挑戦する、どの小学生にも一年に一度巡ってくるすばらしい機会です。学校からもさまざまな材料を提供していますが、何をやるか、どのように取り組むかは、最後は本人が決めるのです。この本人次第ということには、まわりのアドバイス、影響、まね、試行錯誤なども含んで私は考えています。子どもだけに任せてしまうということではありません。まだまだ一人では倒れてしまします。周囲の支えが必要なのですが。ともかく心が動く対象に具体的にアタックしてみることがポイントではないでしょうか。

 

私の一人息子はすでに結婚して新宿の方に住んでいますが、息子の部屋に今でも一枚の相田みつをさんのカードが壁にピンでとめられています。いつ貼ったものなのか知りませんがこういう言葉です。「ともかく具体的に動いてごらん。具体的に動けば具体的な答えが出るから。みつを」相田みつをがとくに好きというのではないのですが、この言葉は気に入っています。まあ、親ばかですが、こういう言葉をみずから見つけ、自分の支えにした息子の感性はほめてやりたいものです。

 

この夏、大いに子どもにチャレンジさせてください。いわんや私達をや。



聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 

 七夕まつりのご参観ありがとうございました。マンネリを感じる向きもあるかもしれませんが、伝統の行事を生きる子ども達や私達にしてみると、定番のもつ安定感や歌舞伎の決め台詞のような大向こうから声をかけたくなる期待感が心に生じているのです。また、演出、動き、台詞、音楽の骨格が決まっているので、「今年は、あの役はどうなるだろうか」というような細部を見ることも楽しみなことです。繰り返すことの持つ大河の流れに身をまかせることに似た気持ちよさを感じるのです。これも学校をふるさとのように思う仕掛けの一つなのかもしれません。

 

 しかし、新しく手を入れていく部分もあるのです。合唱パートを全校で分け持っていくという趣向です。長年見慣れた私にしてみれば、ミュージカル七夕の命が更新されていくような新鮮な感動がありました。子ども達の歌声が指導によって変容を遂げていくのを目の当たりにすると、やはり教育というものは大切なことだ、質が高まっていくことの喜びが、指導する者、指導される者の向上の原動力だと痛感するのです。

 

 会の最後に、私から本校が使用しているハーモニカの紹介をしました。開校当時から使っている楽器です。現在では、ハーモニカは学校音楽の世界では隅に追いやられてしまった楽器ではないでしょうか。本校ではその響きを愛した初代音楽専科、岩上廣志先生の志を大切にして今でも楽器の主役の座にあります。したがってハーモニカを楽譜を見て吹けるようになることが、低学年必須の達成目標の一つになっています。保護者の皆様もご家庭でお子さんが教則本を合格するのに一役買ってくださったことと存じます。おかげさまで在校生全員で全校合奏ができるほど上達していきます。

 

 1年生の初級一段ハーモニカと上級二段ハーモニカとがあります。繰り返しになりますがその楽器への本校のこだわりをもう一度説明させてください。保護者の皆様は小学生のころ音楽で習ってきましたでしょうか。私は好きで家でもよくふいていました。私達の使ってきたハーモニカは、吹く・吸うが交互になって音を出すわけですが、ラ・シの箇所だけは吸う・吸うとなりました。子ども心にもどうしてかなあ、と思ったものですが、ともかくそれで慣れてふいていきましたね。しかし、その吸って・吸ってに疑問をもった楽器屋さんがいたわけです。吹く・吸うの配列をこれまでの常識を破ってともかく最後まで交互で押し通したハーモニカを製作したのです。これによって(このあたり、日本教育楽器のホームページを参照していますが)、五線譜「線上の音符を吹き、線間の音符を吸う、五線譜に対応した自然配列」のハーモニカができました。「サカホーン」の誕生です。昭和30年のことでした。コロンブスの卵とはこのことですね。配列の単純さが「吹き吸いの判断を容易にします」ので、入門期の子どもでも自学自習がしやすいのです。その楽器を取り入れた若き岩上先生の慧眼はたいしたものだと感服します。

 

 ともあれ、ハーモニカでの全校合奏「きらきら星変奏曲」は今年も七夕まつりの夜空に響き渡りました。この曲も、「輝け聖徳」も入学以来卒業まで何回演奏したり歌ったりするのでしょうか。岩上先生は私達に話してきかせていたものでした。「いつか、卒業生と在校生とが全員集まる時がくるだろう。そのときに全員で演奏したり歌ったりするのが夢なんだよ」と。まさに夢のあふれる光景です。卒業生達は、そのとき久方ぶりに手にしたハーモニカでもきらきら星を合奏してしまうのではないでしょうか。まるで唇は当然のように覚えていたように。        



聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 昨年度、月曜全校朝会で俳句(詩の一節のときもありましたが)の名句を子ども達に紹介してきました。そこには以下の考えがあったからでした。自分の文章ですが少し引用します。昨年6月の学校だよりから。

 「学校では多く言葉を利用して論理を育てていきます。この社会はまずは論理で動いていますから、低次であっても高次のものであっても論理的思考力や論理的表現力の乏しいことではそれこそ生きていくことができないからです。しかし、アメリカの作家チャンドラーが言うように「強くなくては生きていけない」でしょうが、「優しくなければ生きている値打ちがない」のです。論理だけで押し通すのは趣味が悪いというものです。感動、共感、美的感受性、直観的感性(総じて情緒というもの)を養ってこその人生でしょう。」

 自分でもたいへん楽しみな作業でした。次の一句を何にするか、それを見つけてくるのが、いや正確には一週間の内にあの句にしようと思いつくのですが、それが小さな発見の喜びで、前の句とどんなつながりを感じていたのか、自分の無意識の世界をさぐる興味がありました。

 今年度は、では、どんな趣向で全校朝会の校長講話を示していこうかと思案していたのですが、よい考えがあまり浮かんできません。子ども達からは「俳句やらないのですか」と言われたりしてどうしようかなと迷っていました。そんな5月、松戸駅前の大学10号館の最上階で集まりがあって参加しました。そこは、東、南、西の三方が全面ガラス張りでとても眺望がよいところ。会場についたときには、大きな夕陽がちょうど沈んでいくところでした。そして反対側を見てみるとなんと大きな満月がぽっかりと浮かんでいるではありませんか。まさにあの蕪村の名句の世界が現出していたのでした。菜の花や月は東に日は西に(与謝蕪村)。見惚れていると同時に、「ああ、月曜名句を再開しよう」という思いが湧き上がってきたのでした。蕪村さんが続けなさいよ、と言ってくれたような気がしました。

 こういう迷っているときには本人が意味を感じる偶然の一致がよく起こるものです。それを共時性、シンクロニシティというそうです。心理学者のユングが提唱し、日本ではやはり臨床心理学者の河合隼雄がその考えを晩年に広めましたが、まあ、そんなおおげさに考えなくてもそこに自分が意味を感じればよいのです。自分の人生を物語化するといえばかっこいいですが、ともかくこれで、月曜名句を校長を終えるまでやっていこうという決心をしたわけなのでした。それからは毎週うきうきと俳句を選んで、拙い筆で書いて、ワンポイントの話をして紹介しています。以下は再開後の月曜名句。つなげた私の思いを想像してください。

24 菜の花や月は東に日は西に 与謝蕪村 5月27日(月)全校朝会

25 五月雨をあつめて早し最上川 松尾芭蕉 6月14日(金)全校朝会

26 青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介 6月24日(月)全校朝会

27   芥川龍之介の長逝を悼みて

  たましひのたとへば秋のほたるかな 飯田蛇笏 7月1日(月)全校朝会



聖徳大学附属小学校

校長  佐藤 幸雄

 

 卒業生の保護者より先日お手紙をいただきました。ご両親も本人からは聞いていなかったそうですが、ご長男の文章が在学中学校の年鑑に選ばれて掲載されていたというのです。それだけでしたら本校までお伝えすることでもなかったでしょうが、中身を読んでこれは母校にお伝えしたいとお母様が考えたのだと推察します。送って下さったコピーは、卒業させた私達にとっても内容がたいへん嬉しいものでした。すぐそのご家庭と、卒業生の通っている中学校に連絡をとり、学校だよりに掲載することのご許可をお願いすることにしました。そして快諾をいただきましたので今回転載して皆様にお知らせしたいと思います。

 

 文章を書いたのは、本校第22回卒業生(平成21年度卒業)。歴史ある都内の中学校に進学しました。この学校では毎年『年鑑』を発行しているそうです。毎号テーマがあり、2013年版は「和」であったということです。そのテーマに沿って夏休み作文を書くことが全生徒の課題で、中学校約750名の内学年毎10名ほどの生徒が選ばれて載るという仕組みです。もちろん今回の「和」は本校を意識して設定されたわけではなく、本人が、このテーマで一文をものするときに本校の「和の心」のことが胸にわきあがってきたのでしょう。以下に全文引用します。(本人は現高校一年ですが、これは中三の夏の作品です)

 

    母校の「和の心」

 

 「和の心」というのは僕の小学校の建学の理念です。僕は小学校生活の六年間、この「和の心」を教えられてきました。

 この「和の心」というのは簡単に言うと、人を思いやる心、他人の個性を尊重しあう心と捉えていいと思います。どちらもあたりまえのことですが、日常生活を淡々と過ごしていると、人を接する機会があってもついつい忘れてしまいます。私の母校は人を思いやる心を日頃から意識するように、他の学校にはあまり見られないことをやっていました。

 一つは、週に一回礼法という授業があることです。それも小笠原流礼法という本格的なもので卒業までに皆伝できるように、その宗派の先生が教えてくれました。内容は礼儀作法、お茶のいただき方などです。今ではすっかり忘れてしまいましたが、一応僕も皆伝しています。この授業中には、先ほど挙げたこととは別に、毎回先生が人を思いやる心に関連する話をしてくれるので、思いやりとは何か、深く考えることができました。

 もう一つは、一年生から六年生までそれぞれ十人程ずつのグループをつくっていたことです。このグループのことを明和班と呼び、遠足、毎日の食事もその明和班で行っていました。最高学年の六年生は班長と呼ばれ、明和班を仕切ります。この明和班をつくる目的は、上の学年は下の学年の面倒を見て、下の学年は上の学年を見習い助けるという互い思いやる心を育むということらしいです。この明和班のことを他の人に話すと、よく珍しいと言われます。

 僕は六年間このような学校で育ってきました。これからも、母校で学んだ「和の心」、思いやりの精神を忘れずに高校に行きたいです。

 

 タイトルにも掲げましたが「僕は六年間このような学校で育ってきました」という文言が心を打ちます。ここには自分の出身小学校の思い出、懐かしさ、愛着、誇りがこめられているように感じられてなりません。母校の存在が、現在の自分を支えてくれる仕方でふりかえられるとはなんて素敵なことでありましょうか。このように過去の自分の経験や出来事を愛惜をもって慈しめられるのは、中学校に進学してからの本人の3年間の生き方もきっと充実していたことの証だと思います。

 

 本校の卒業生は、平成24年度末で、1656名。これら一人一人の卒業生の今が、少しでも輝いていることを願わずにはいられません。あらためて、6年間学ぶ礼法や明和班活動の教育力を思いました。子どもの心にいつまでも刻み込まれていくことに、日頃の指導をあだやおろそかにすることなく取り組んでいかなくてはいけないことを誓い直しました。

 

 本校の創立30周年(平成28年度)に先だって、来年、平成26年6月15日(日)第1回同窓会総会を開催する予定です。本校からも連絡してまいりますが、お知り合いの卒業生がおりましたらお伝えください。





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