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校長室だより

2013年12月の校長室だより

平成25年度 12月 学校だより

      世界に通用する授業めざして

                          聖徳大学附属小学校   校長  佐藤 幸雄

 

11月の校長室だより「響き」23号に本校の特色的な教育活動である礼法・会食・明和班活動は世界に通用する教育ではないか、と書きましたが、学校の本務を授業であるとするとそれを授業でこそ追求したいと思います。私学といえども公教育の一翼をになう教育機関でありますので、各校独自の教育方針も次代の国民を育成するという共通の基盤の上に展開するものであります。とくに学力形成については読み・書き・計算をはじめとして初等教育の学習内容は共通性の高いものであります。したがって児童に獲得させる学力は、将来や世界に開いた汎用性の高いものを身に付けさせていきたいと考えます。実際の授業がこれまでの日本の研究成果や現在の世界の研究動向まで見据えた広い視野からの授業研究に支えられていなければならない所以です。

 

期せずして、「第2期教育振興基本計画」が本年6月14日閣議決定されました。この計画は、教育基本法第17条第1項に基づき政府が策定する教育の振興に関する国の総合計画です。今回はその第2期として平成25~29年度の計画が示されました。教育行政の4つの基本的方向性が設定されています。授業づくりに関しては、1番目の「社会を生き抜く力の養成」にその方向性が謳われています。「生きる力の確実な育成」を図り「生涯にわたる学習の基礎となる『自ら学び、考え、行動する力』などを確実に育てる」と提示されています。その方向性が見据えているものは世界に通用する学力、世界に通用する授業であると私には感じられます。

 

 目を世界に転じてみれば、OECDが“キー・コンピテンシー”と名付ける、21世紀を生き抜く人間には3つの能力が必要であるという人間像を提唱しています。“自律的に活動する能力・相互作用的にツールを活用する能力・異質な集団で交流する能力”の3つです。この人間像に基づき、「読解力」「数学的リテラシー」「「科学的リテラシー」の側面から世界各国の学力を見ようとしているのがPISA調査(生徒の学習到達度調査)であることはご存知の通りです。

 

 キー・コンピテンシーとは、単なる知識や技能だけではなく、特定の文脈の中で複雑な要求に対応することができる力を指しています。ですからこの力は「問題解決能力」にほかなりません。現代の学習理論もこの3つのコンピテンシー(特徴的な行動特性)を授業で育てていく方向性が指向されています。その特徴を東京大学の秋田喜代美教授は次のようにまとめています。

 

国際標準学力―3つのコンピテンシーの育成と知識を深く学ぶ授業

①    新しい概念を先行知識や先行体験と関係づける学び

②    相互の概念を関係づけ統合する学び

③    基礎となる原則・法則を探究する学び

④    新しいアイデアを評価し、結論と結びつける学び

⑤    対話を通して知識がつくられる過程を理解し、議論の中の論理を批判的に吟味する学び

⑥    自分自身の理解と学習過程を省察する学び          

                     (秋田喜代美「質の時代における学力形成」2009年)

 

 ひるがえって本校が現在校内研究で大切にしている授業の方向性は、質の高い問題を集団で多様な考えを活かしながら解決する学び合い過程を大切にする授業です。そしてその思考過程をノートに自分の言葉で綴ることで思考力・判断力・表現力を育成しようというところに独自な特徴があります。

 

 秋田教授がまとめた“国際標準授業”と対比してみても①・②は本校でいえば<自分の考え>を書く段階で大切にしているところでありますし、③・④・⑤はまさに多様な考えをもとに学級集団で思考を練り上げていく段階で子どもたちに意識させている価値観です。本校では授業の最後に<学習感想>とか<今日わかったこと・考えたこと>をノートに書かせますが、それは⑥が求めていることの授業実践者たちによる現場的工夫といってよいものだと思います。

 

 もとより本校の現在の授業が世界に通用するレベルにまで到達していると考えているわけでは毛頭ありませんが、そのつかんでいる本質はまちがっていない、世界的な舞台で話し合っても十分伍していけるだけのスタンスでいると自覚していきたいと思っています。

 

礼法・会食・明和班に並んで授業でも、しっかり世界に通用する教育を展開できるようにめざしていきます。





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