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校長室だより

2015年9月の校長室だより

平成27年度 学校だより 9月号

 

      現在の世界の授業論からみた本校の学習過程

          

聖徳大学附属小学校

 校長  佐藤 幸雄

 

 「双眼鏡さかさにのぞく夏休み」こんな句をこの夏詠みました。教員ですので児童の夏休みと結びついて今でも自分の小学生時代の夏休みをよく思い出しますが、それはまるで双眼鏡をさかさにしてのぞいている、遠く小さく何か周囲が薄い青色でふちどられているような懐かしい情景が脳裏に浮かんでくるのです。そんな気持ちを一句にこめました。大阪寝屋川市ではいたましい事件が起こってしまいましたが、皆様のご家庭ではきっと貴重な経験を重ねることのできた今年の夏休みであったと推察いたします。

 

 さて、1学期は次の年度の小学校入試の準備がすでに佳境にはいり、私なども幼児塾で学校説明や子育てについてお話しする機会がいくつかあります。今回は、学校説明で実際に本校の理科の授業を参加保護者に受けてもらいながら(校長出張授業ですね)、附属小学校が大切にしている学習指導について解説をしていきました。興味のわく自然科学の基礎的ですが本質的な実験なので大人でもみごとにまちがえます。実験結果をみて誤答した方ほど納得して科学を学ぶ愉しさを少しの時間感じてもらえました。

 

 昨年、ワンテーマ学校案内リーフレットの第1号として「理数教育編」を作成しました。算数・理科は<世界は驚きと論理に満ちている>という世界観からすれば、まさに小学校教科の肝です。本校では「自律の学び」と「協同の学び」を重視する学習指導を行なっていますが、算数・理科の授業は、協同の学びでは"問題解決的な学習過程"を経ることが一番効果があるといわれています。本校でもその学習過程を大切にして、それに加えてその学習過程をより自覚するために、自分の考えたことの変容を過程に沿ってノートに表現する活動も継続的にとりいれています。教科の基礎的であるが本質的な認識は、学び合いと自分の言葉でノートに綴ることで一層活用できる力として身についていくからです。

 

 そんな本校の理数教育ですが、東京大学の秋田喜代美先生が、2009年に現代の英語圏の授業理論として「知識を深く学ぶ教育実践」をまとめている表があります。 「質の時代における学力形成」 2009年『基礎学力を問う』所収(東大出版会)>

1.新しい概念を先行知識や先行体験と関係づける学び

2.相互の概念を関係づけ統合する学び

3.基礎となる原則・法則を探究する学び

4.新しいアイデアを評価し、結論と結びつける学び

5.  対話を通して知識が作られる過程を理解し議論の中の論理を批判的に吟味する学び

6.  自分自身の理解と学習過程を省察する学び  

 

以上6項目です。一般化して抽象的に書かれていますが、具体的に授業場面でふりかえってみると、1.はこれまでの知識・経験とつなげて考えること、2.は発表された多様な考えをつなげまとめて考えること、3.は典型例から一般性・共通性を考えること、4.は友達の考えを相互比較して考えること、5.は学級でのさまざまな考えを基に、一人では思いつかなかった質の高い考えを考え出すこと、6.は自分や学級の思考過程を客観的に振り返る過程をもつこと、だといえます。これらは本校の理数科でまさに大切にしていることと同値です。 

 

学ぶことは、知識を得ればよいのではありません。本質的な認識内容を獲得していく過程で、知的好奇心や学習意欲、そしてなによりも学ぶ喜びを培っていくことが伴わなければ学習から逃避することになるでしょう。私たちはこれからも質の高い学習内容を仲間といきいき学び合う授業を追求してまいります。

(過日、こんな新聞報道もありました。"教育効果の高い学校は、「書く」こと「振り返る」ことを「よく行なった」学校であるというお茶の水女子教授らの学力調査分析") <平成27年7月8日 朝日新聞>





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