タイトル 利休の死
日時・場所

平成27年10月17日(土)13:00~14:30

聖徳大学10号館14階

※参加費無料(定員100名)

内容

 茶の湯を完成させた茶人・千利休(大永2年(1522)―天正19年(1591)は秀吉に茶頭として仕え、町人では参内できない宮中の茶会にも出ていました。ところが天正19年、突然、秀吉の勘気に触れて堺に蟄居させられ、続いて京都に呼び戻されて聚楽第にて切腹を命じられます。

 利休が自害させられたこの事件は謎が多く、作家たちの創作意欲を唆したようで、戦後だけでも井上靖の『利休の死』(1951)、今東光の『お吟さま』(1957)、野上弥生子の『秀吉と利休』(1964)、三浦綾子の『千利休とその妻たち』(1980)、さらにまた井上靖の『本覚坊遺文』(1981)と、いくつもの伝記が書かれています。ことに井上靖(1907―1991)の場合、著作目録を見ると40代で小説を書き始めて間もなくから、83歳で亡くなる数年前まで、間欠的に利休に関する小説や随筆を12編発表し、利休が死を賜った理由、秀吉に抗弁しなかった理由、利休にとっての死の意味を40年近くにわたって考え続けました。

 この間、井上靖が何を考えていたかをまとめ、お話させていただきます。

講師 井上 修一(井上靖記念文化財団理事長)
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